室内の木質化率と睡眠の深い関係
住まいづくり入門
室内の木質化率が睡眠に深く関わっていることをご存知でしょうか?木質化率とは、室内の内装の内、どれだけの面積が木質材料で仕上がっているかという割合をいいます。結果的には建物全体の50%程度、具体的な例では、床と天井で木質材料を使用している住宅では、住まい手が良好な睡眠を得るのに最も効果的というデーターがあります。
ちなみにこちらの寝室は、床と天井に杉の無垢材で仕上げています。これが木質化率50%の内装です。
検証の結果…
木質化率と睡眠の関係を見たところ、木質化率が高すぎても低すぎてもダメ。50%程度が最も睡眠には効率的という結果が出ています。また、床・壁・天井、それぞれ内装部位に対する「木質化」の見た目の効果は、壁面の係数だけが50%を境に「マイナス」となっていることから、壁面においては木の使用量が多くなると、見た目の好ましさが低下すると考えられています。
見た目を好ましいと思っている人の割合を木質化率別に検証した場合、木質化率50%程度をピークに好ましいと感じる割合が下降する傾向が表れ、木質化率100%の方が好ましいと感じる人の割合が下がることについては、室内全体を木質化すると「暗い印象」や「圧迫感」、また「短調な雰囲気」を感じるからだと考えられています。
嗅覚で考えると、室内の木質化率を上げていけば、木の香りによるリラックス効果は向上する傾向しますが、視覚的な効果を考慮すると、見た目は木質化率50%をピークに下降していくと言えそうです。
健康を維持するために必要な睡眠。室内の木質化率も考えながら寝室の仕様を決めることで、その「質」が変わってきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。