「天井高」の決め方とその効果
住まいづくり入門
住まいづくりを検討する中で、設計段階で意外と真剣に協議されていないのが部屋の「天井高(てんじょうだか)」について。しかし、この天井高の決め方ひとつで、部屋の雰囲気はもちろんのこと、様々な効果が変わってきます。
まずは天井高に関する法的な部分のチェックから。建築基準法では、居室の平均天井高さは2.1m以上にしなければならないという規定があります。一般的に居室とは、日常的に長時間いる部屋をいいますので、「リビング」や「ダイニングキッチン」、また「寝室」や「子ども室」などがそれに該当します。
次に3枚の写真をご覧ください。あなたはそれぞれどんなイメージを抱きますか?
【屋根なりの勾配天井を設けた部屋】
【梁をあらわしにして最大限天井高を確保した部屋(2750mm)】
【できるだけ天井高を低く抑えた部屋(2100mm)】
天井高によって、部屋の雰囲気は大きく変化することがおわかりいただけたと思います。雰囲気の好みは人それぞれで、人の主観によるものです。当然そのパーソナルな感覚は住まいづくりの中で重要な要素なので、その部分はしっかりと尊重しつつ、一般的に言われている天井高が高い部屋のメリットとデメリットをご紹介します。
【メリット】
・開放感がある ・ペンダントライトを設置しても圧迫感がない ・窓を高い位置に計画できる ・壁面積が増えるので棚を設置したり絵画を飾るスペースが広い
【デメリット】
・落ち着かないと感じることもある ・部屋の容積が増えるので冷暖房効率が不利になる ・天井付近の設備(照明やシーリングファン)などのメンテナンスが難しくなる
上記を踏まえた上で、更に間取りや生活パターンなども天井高を決めるポイントになりますのでご紹介していきます。
・ごくごく一般的な住まいの天井高は2400mm程度
・和室など、床に座ることを前提とした部屋は目線が下がるので天井高が低いほうが落ち着く
・リビングなどに小上がりのタタミコーナーを設ける場合などは天井高が高いほうが有利
・一般的に狭い部屋は天井高を低めに、広い部屋は天井高を高めに設定したほうがバランスがいい
・システムキッチンのレンジフードなど、高さの規定がある設備が存在する部屋はそこも考慮して天井高を決定する
天井高の決定方法には色々な要素があることがご理解いただけたと思います。ひとつひとつ検証しながらベストな天井高を決定していきたいものです。
ここでひとつご紹介です。スタジオセンスの体感型リノベーションモデルハウス「奥湯田の家」では、様々な天井高を体感できる施設になっています。ここで自分なりにそれぞれの天井高の部屋に身を置き、その感覚を確かめてみるのもいいかもしれませんね。
体感型モデルハウス「奥湯田の家」