高性能な家を建てる3つの理由
住まいづくり入門
「高性能な家」と「普通の家」。普通の家が「一般的」で、高性能な家は「特別」というイメージをお持ちではないでしょうか?あなたが家を建てるとしたら、何を基準に、どちらの住まいづくりを選択するべきなのかを考えていきましょう。
①コスト
住まいづくりの中で「コスト」を考えることはとても重要です。そして考えなければならないコストには「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」2種類あります。イニシャルコストとは家を建てる時にかかるコストをいい、ランニングコストとは家に住み始めてからかかるコストをいいます。
そこで「A.安くて普通の家」と「B.高くて高性能な家」を比較した場合、それぞれどのようなイメージになるのでしょうか?一般的な面積120㎡程度の家で比較した場合、Aは年間25万円程度の光熱費がかかるのに対して、省エネ性能を有するBは約半分の12.5万円で済むという試算があります。これが30年、40年、50年となるとどうなるでしょうか?仮に50年間この住まいに住み続けるとしたら625万円の差額が発生することになります。またこの試算は現段階のエネルギーコストでの試算ですので、エネルギーコストが上昇していくと更にその差は開いていくことになります。
「イニシャルコスト+ランニングコスト=トータルコスト」
この考え方は将来に渡り生活に影響を及ぼしますので、住まいづくりの段階ではしっかりと頭に入れておきたいものです。
②快適性・健康
「A.安くて普通の家」と「B.高くて高性能な家」では快適性能にも圧倒的な差がうまれてきます。AはBに比べ、快適で過ごしやすい家であることはもちろんのこと、夏暑くて冬寒い家になるので「温度差」や「結露」による「健康被害」の問題と常に向き合っていく生活がまっています。
よく知られた話ですが、温度差ヒートショックに関連する入浴中突然死は全国で年間推定年間14,000人といわれています。 また、化学物質によるシックハウス症状やハウスダストなどによるアレルギー症状を訴える患者も増加傾向にあります。イニシャルコストを削った分、それが医療費として出費することは避けたいものです。
幸せに暮らすために建てた家で不健康になるのは本末転倒。住まいと健康に関する観点から言っても高性能な家を選択することは家族の健康リスクを減らすことにつながります。
③未来のこと・地域のこと
「A.安くて普通の家」と「B.高くて高性能な家」の光熱費の差は、つまり建てた後に発生していく「エネルギーコスト」の差です。Aの家は初期投資は抑えられたものの、エネルギーコストという形で、将来に渡りBの家の2倍の出費が続きます。そして、エネルギーの自給率が6%の日本では、このエネルギーコストの行く先はほとんどが海外に流出していくことにつながります。つまり自分が支払ったお金は、否応なしに海外の石油王などの手に渡るのです。
一方でBの家は、Aの家がエネルギーコストとして支払っていく分を、初期投資として国内または地元に還元する選択肢を残すことができます。
「将来のエネルギーコストが掛からない家=お金の支払い先を自分で選択できる家」
といえます。
地元になるべくお金を落とすことは、あなたが地域経済の活性化に一役買うことにつながります。私たちの子や孫の代に仕事を残していくことを真剣に考えたとき、エネルギー代としてお金を海外に支払うこと以外の選択を残すことで、自分の意志で支払先を決定することができるのです。未来のことを考え上で、自分のお金をどこに、また何にお金を支払うのか?それが今を生きる我々に問われているのかもしれません。
「高性能な家」はトータルコストで考えれば高い家ではありませんし、むしろ「健康」や「お金の使い道」というプライスレスな部分を含めて考えると、あなたが高性能な家を建てることには大きな意味があります。
「一生で一番高価な買い物といわれるマイホーム」
様々な観点からしっかり検討し、後々後悔することのない住まいを手に入れていただきたいと思います。