家の天敵「結露」のメカニズム
住宅で発生する問題
これからの季節、気になるのが「結露」。カビやダニが発生する、また、家が腐るなど、その最大の原因は「結露」によるものです。カビやダニはいわゆる「ハウスダスト」と言われるもので、アレルギーやアトピー、喘息などの健康被害につながるので注意が必要です。
では一体、結露はどうやって発生するのか?そのメカニズムを知っておけばある程度対策ができそうです。結露を知るには「水蒸気」について理解しておく必要があります。
テレビやラジオなどで報じられる天気予報。「山口県地方、今日の湿度は○○%です」などとよく耳にしますが、本当の意味はあまり知られていません。ここでいう湿度は「相対湿度」のことを指します。空気は温度によって蓄えることができる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が増減し、暖かい空気ほど多くの水蒸気を保持することができます。「相対湿度」とはこの飽和水蒸気量に対して、実際に存在している水蒸気(絶対湿度)の割合のことをいいます。これは自然界の原理原則のため、下記の「飽和水蒸気曲線」を見れば、ひと目で空気温度に対する飽和水蒸気(結露が発生するタイミング)がわかります。
暖かい空気をたくさん含んだ空気が冷やされ「飽和水蒸気量」を超えると、空気が含めなくなった余分な水蒸気が「気体」から「液体」に姿を変え水に変ります。これが結露が発生するメカニズムです。
夏場、乾いたコップに冷えたビールを注ぐと、コップの表面に水滴が付ことは、体験としてあなたもご存知だと思います。これも結露と同じ現象です。
「結露」のメカニズムは「温度」と「水蒸気の量」のバランスだということがわかりました。つまり「室温」を上げるか、「水蒸気の量を減らす」ことで、飽和水蒸気量に達しなければ結露が防げることになります。とはいえ、夏場、ビールのコップに水滴が付着するのと同じで、冬場のサッシやガラスは外気の影響を受け冷たくなっていますので、いくら室温を上げても、サッシ付近の温度は上がらず結露が発生してしまうのも事実です。
「外窓を断熱性の高いものに交換する」または「内窓を設置して窓辺の断熱性を高める」などの対策をして、サッシやガラスの温度が一定温度以下にならないようにすることが大切です。
下記、「湿気と結露」ページもご覧ください。