築50年ほどのご実家を受け継いだご家族の、住まいづくりをお手伝いさせていただきました。床面積は50坪と大きな平屋の日本家屋です。昔ながらの田の字型に和室が配置されていましたが、構造補強を施し間取り変更や水回りの位置を変えて、自分たちのライフスタイルに合うよう計画しました。

圧巻なのは勾配天井としたLDKの小屋梁です。以前は天井裏に隠れていた構造体ですが、磨いて仕上げることでアクセントとなり、日本家屋ならではの味を醸し出してくれます。やはり自然の木と自然の土壁の相性は良いもので、北海道産珪藻土との相乗効果もあり、見た目も機能性も期待できます。

窓は全て、樹脂窓＋Low-E複層ガラスとし断熱性能向上を図っています。これまでの住まいと比べれば、格段に断熱性・気密性が良くなり、まったく違う住空間となるはずです。

新築は間取りの自由度が高く、高性能でもちろん良いのですが、古いものは淘汰されることの多いこの時代に、この度のご家族のようにご先祖様から受け継いだ歴史ある住まいをリノベーションして後世に残していきたいという考えには深く共感いたしました。古い技術と新しい技術の融合となった今回のお住まいが、後の世代にどう残っていくのか楽しみです。