壁のニッチでオシャレな空間をつくろう!
住まいづくり入門
スタジオセンスの住まいづくりでは欠かせない演出のひとつとして「ニッチ」があります。ニッチとは、直訳すると「隙間」「くぼみ」という意味を持ちますが、小物や絵などの飾り棚として利用するために、壁の一部をへこませた部分のことを言います。
では、どんな種類のニッチがあり、どのような活用方法があるのか?弊社の実際の施工写真を見ながらご紹介していきましょう。
まずはレイアウト。ニッチを「縦」にレイアウトするか「横」にレイアウトするかでイメージが変わってきます。
こちらは縦に15cm四方のニッチを3つレイアウトした事例です。上下にレイアウトすることで壁の高さを印象付ける効果があります。この事例は、リビングから廊下にでた部分のアイキャッチ(アイキャッチとは、見る人の目線を自然に誘導して印象づけるアイテムの
こちらも縦に3つニッチをレイアウトした事例。ニッチ内正面の壁にはかわいらしいモザイクタイルを施工し変化をつけています。ちなみに、上の写真のニッチは下部に木の板を施工していますが、こちらのニッチは板がないパターンです。それだけでもニッチの印象が変わってみえますね!
また、このようにスクエアなニッチを縦に連続させるのではなく、縦長のニッチを1つつくることも可能。一輪挿しなどを飾り、背の高い草花をかっこよく活けるのもgood。
次にニッチを横方向にレイアウトした事例をご紹介します。
こちらは窓の下のスペースを使いニッチを計画した事例です。壁の広がりを意識させるニッチになります。ミニチュア模型などを関連性を持たせながらディスプレイするには最高のスペースです。
こちらも横長のニッチ。小型のダウンライトを計画することで、飾りを照らし出しオシャレに演出することができます。またダウンライトは縦方向の灯りなので、壁面の凹凸を浮かび上がらせることができ、奥行を感じる目を引くニッチをつくることができます。
最後にニッチをランダムに配置した2事例。規則性がないことで空間に変化と遊び心を演出することができます。楽しく自由な雰囲気が漂う壁面になり、小物を飾るにもワクワクしそうですね!
このように、ニッチの数や大きさ、素材や広がる方向性によってイメージが全く違うものになることがおわかりいただけたと思います。
空間演出する上でも大きな役割を果たしているのがこのニッチという存在です。
次に室内演出(ディスプレイ)のためのニッチではなく、機能性・用途のあるニッチをご紹介していきます。
こちらがキッチン周辺のパネル回りをニッチに納めた事例(スイッチニッチ)です。こちらの写真では「電気温水器リモコン「インターホンモニター」「24時間換気システムリモコン」「照明器具のスイッチ類」をニッチに入れ込み、部屋への出っ張りがなくなった分スッキリとした印象の壁にすることができます。
こちらはシステムキッチン横の壁にニッチを設け「スパイスラック」を計画した事例です。内部はキッチンパネルで仕上げ、棚は液体の調味料などが付着しても掃除しやすいように清掃性を求めたガラス可動棚としています。
こちらは洗面化粧台の横に整髪料などをスッキリと収納するために計画したニッチ。小物が溢れかえる洗面化粧台回りだからこそ、このちょっとした収納スペースは重宝されます。また、洗濯機近くの壁にニッチを設ければ洗剤置きスペースになりますのでぜひお試しください。
こちらは浴室の出入り口付近の設けた「タオルストッカー」ニッチです。ボックスの真ん中に棒を1本通すことで、丸めたタオルを積み重ねストックすることができるので、入浴後、脱衣室の床を濡らすことなくタオルを手に取ることができます。
最後にご紹介するのが「マガジンラック」ニッチ。キッチン周辺に計画すればレシピ本を。またリビングに計画すれば雑誌や新聞などをスッキリ収納することができます。積み上げるとどこに行ったかわからなくなる本類は、マガジンラックで立てて収納するとすぐに目当ての本を探すことができるというメリットもあります。
ここでニッチを計画する上での注意事項をふたつ。
ひとつは「柱」「筋交い」を避けるということです。当たり前ですが、木造住宅は家を支えている柱や、地震などの揺れから家の倒壊を防ぐ「筋交い(斜めの木材)」というものが壁の中にあります。
これら家の構造材がある場所にはニッチを計画することはできません。
ふたつ目は、充填断熱(柱と柱の間に断熱材が入っている)の家の場合、外壁側の壁の中には断熱材が入っているためニッチを計画することができません。ちなみに、上の写真が外張り(柱の外側で断熱材が連続している)の家。下の写真が充填断熱の家です。
スタジオセンスの新築住宅「Chant」は外張り断熱なので、外壁側(柱の厚み分)にニッチを計画することが可能。室内を広く使うことができるのも外張り断熱の魅力です。