家の構造や素材で人の寿命が変わる?
住まいづくり入門
下記の表は、住宅をご検討中の方であれば一度は目にしたことがある有名なねずみの実験です。静岡大学が行った実験で、木製の箱、金属の箱、コンクリートの箱におけるねずみの「生存率」と「体重変化」を調査したものです。
■生存率
ねずみを木、鉄、 コンクリートの箱の中で飼育し、その生態を観察。それによると、子ねずみの23日間の生存率で は、木のケージで育った子ねずみは85・1%、鉄のケージでは41・0%、 コンクリートの場合は6・9%という結果。圧倒的に周囲の環境によって生存率に差がでていることがおわかりいただけると思います。
■体重の変化
ほぼ同体重のねずみをそれぞれの箱に入れて飼育した時の体重変化を表しています。各箱で徐々に体重増加に変化がみられ、20日後には大きな差となっていることがわかります。また、木の箱で育った子ねずみは比較的おとなしく体重測定ができるものの、鉄やコンクリートの箱で育った子ねずみは暴れて測定するのが困難だったというエピソードもあるようです。この行動の違いは環境によるストレスによるものだと考えられます。
また、島根大学が行った別の調査では、コンクリートでできたマンションや団地などの集合住宅に住む人と、木造住宅に住む人の平均寿命年齢を調べています(木造住宅270件とマンション62件を対象)。調査結果は、木造住宅に住んでいる人のほうが9年寿命が長いというもの。これも我々にとっては衝撃的な事実です。
家の素材(有機質か無機質か)によって、生物の健康状態は大きく変わり寿命にも影響を及ぼすというこれらの結果。家族のために何を選びどんな環境に住むのかを考える材料のひとつにしていただければと思います。