シックハウスと室内空気測定
住まいづくり入門
お引渡し前の高性能自然派住宅。スタジオセンスの住宅品質の証として実施しているのが室内の空気測定です。この測定器は室内空気汚染物質の「ホルムアルデヒド」を測定するもので、建築した建物内にどれだけの濃度のホルムアルデヒドがあるのかがわかります。
ホルムアルデヒドとは、「VOC(ホルムアルデヒドをはじめとした揮発性有機化合物のこと)」と呼ばれる化学物質の1つで、建物の建材や内装などに使われている接着剤や塗料から空気中に揮発するという特性があります。
ホルムアルデヒドはシックハウスの原因となると言われていますが、そもそもホルムアルデヒドが何かをご存知でしょうか?ホルムアルデヒドは、水によく溶ける特性があり、防腐剤として使われています。ホルムアルデヒドが水に溶けたものが「ホルマリン」。聞きなじみがあるのは学校の理科室にあった「ホルマリン漬け」ですね。劇物です。
シックハウスの症状としては・・・
・目、のど、鼻などに刺激を感じる
・不眠や動機、気だるさ
・ぜんそく、アレルギー症状
この病気は他の病気の諸症状とも似ているので、なかなかシックハウスと断定するのが難しいのですが、新築やリフォームの直後、家にいるとこのような症状が発症するという方は要注意です。
ホルムアルデヒドの室内濃度については、厚生労働省が基準値を設けています。室内の空気測定開始から30分間の濃度が0.08ppm以下が望ましいとされています。しかしながら、これはあくまで基準値。人によってはこの濃度さえも受け付けないという方もいらっしゃると思います。なるべくホルムアルデヒドを使用していない建材(自然素材)で住まいづくりを計画することをお勧めします。また、工事完了時には室内空気測定を実施し、室内のホルムアルデヒド濃度がどれくらいなのかを把握しておくことも重要です。下の写真は弊社がお引渡ししたお住まいの測定結果。0.01ppmという値を示しています。
ちなみに、ホルムアルデヒド濃度は新築直後が一番高く、時間の経過につれて濃度は下がっていく傾向にあります。この特性を理解し、新築直後は積極的に窓を開け換気することは対策のひとつ。誰も「私は大丈夫」と思いがちですが、どなたでも、ある日突然発症するのがシックハウスですので、しっかりとシックハウスのことを理解し住まいづくりをおこなっていただきたいと思います。