新築住宅
[山口市]大内御堀
そうして始まった住まいづくり。最初は建設予定地の整地から。 ご覧のように生い茂った草木と崩れかけた廃屋で敷地の奥まで見えない状況でした。
そんな敷地の植栽を撤去し、建物を解体し、徐々に敷地の全景が見えてきました。
木や建物がなくなると、とても広い敷地です
そして地鎮祭。厳かに地鎮祭は執り行われました。
この度の建物はスタジオセンス初となる「長期優良住宅」ということで申請も手探りでしたが無事着手することができました。
自社大工による「墨付け・手刻み」での建物。 一本一本、大工が木の特性を見極めながら木材を加工していきます。
プレカットが主流の昨今、木を刻む心地よい音が工場に響く光景は少なくなりました。 木という生き物を、適材適所で見極め使う。これこそが自社大工だからこそできる住まいづくりだと感じています。
そうやって大工の手により大切に加工された木材を現場に搬入。いよいよ建て方です。
土台(基礎の上の木材)は山口県産の桧。桧は害虫を寄せ付けないという特性があります。
木材と木材の継ぎ手はもちろん全て大工の細工。 工場生産のプレカットでは不可能である、手刻みならではの継ぎ手が可能となります。 手刻みの継ぎ手は年月を経て更に締まっていくという、先人の知恵が詰まっています。
建物の真ん中には「大黒柱」。6寸角(18cm)の桧材を使用。お施主様のご希望により実現しました。 家の中に大黒柱があるという、昔は当たり前だったことが今では珍しくなってきました。
大黒柱に梁が掛かります。益々大黒柱の存在感が増していきます。
工事も順調に進みいよいよ棟が上がります。(家の中で一番高いところに位置する木材) いつも通り、お施主様にお神酒を掛けて頂き、お祭りをしました。
棟上後は、すぐにタルキを流します。
そして無事棟上終了。最後に五色の吹流しや破魔矢(はまや)を立て上棟式を執り行いました。
上棟式の様子です。
屋根に断熱材を施工した状況です。屋根用のアキレスQ-1ボードは45mm。 両面にアルミが貼ってあり遮熱効果が高い断熱材です。
屋根は石州軽量洋瓦(S瓦)。 2色の瓦を混ぜて葺くことで、見た目にも独創性の高い屋根の表情となります。
気密測定の様子です。全棟気密測定を実施しているスタジオセンスですが、こちらの家はC値=0.3でした。 ちなみに、相当隙間面積C値とは、家の隙間を表す数値です。数値が小さいほど隙間が少ないということを表します。 基準値がC値=2.0、推奨値がC値=1.0ですので、この度は推奨値を大きく下回る結果となりました。
ユニットバス天井裏に設置した換気システム本体。 各居室から新鮮な空気を家の中に取り入れ、トイレや脱衣室などから汚れた空気を吸込み、外部に吐き出します。 換気は家の気密が高いほど(隙間が少ないほど)計画通りに空気が入れ替わります。
天井や腰壁などは山口県産の杉板をふんだんに採用していただきました。
こちらのお宅のキッチンは、大工と左官が仕上げた完全オリジナルのキッチン。 キッチンの反対側にはカウンターを設け、軽食ができるスペースとしました。
壁は100%天然素材からできた珪藻土で仕上げます。 接着剤などの化学物質がまったく含まれていない珪藻土は意外と出会えません。イメージだけではない本物素材は存在感が違います。
キッチンの天板はタイル張り。 電気温水器のリモコンもすぐに操作が出来るようにキッチンに取り付け、奥様にとって使い勝手の良いキッチンを実現しました。
キッチンとリビングに接する畳室(4.5帖)の障子もオリジナルデザインで製作。 全部で9枚の障子に囲まれる畳室だからこそ、閉めたときの意匠をしっかりと考えながらデザインしました。完成も間近です。