現在、山口市秋穂東で工事中のフルリノベーション現場。経年で古くなったご実家を快適な住環境にしてご家族で暮らしたいというご相談をいただきました。

フルリノベーションということで、設備のリニューアルや間取り変更はもちろんのこと、耐震性能や断熱性能の向上、更には気密性能も追及した快適でエコなお住まいを目指していきます。

まずは解体工事から。

床、壁、天井などの内装を取り払い、家が構造むき出しの状態に。家の基本性能を向上させる上では、ここまでの撤去が必要になります。

屋根はタルキを一新し、屋根断熱材を施工しました。断熱性能はもとより、気密性能を追求するためには、屋根断熱が有効です。通気胴縁を施工することで、外壁通気も確保しました。

これまでの家のお悩みのひとつが部屋の暗さ。この問題を解決するために天窓（トップライト）を計画。屋根からの採光は通常窓からの採光に比べ３倍の明るさを確保することが可能になります。これでひとつ問題が解消されそうです。

屋根は軽量化を実現する意味でもガルバリウム鋼板による縦ハゼ葺きにて仕上げを行いました。瓦屋根に比べ上部が軽くなるので地震の時には優位に作用します。棟換気を施工し屋根工事の完了です。

屋根工事が終わると壁の断熱材施工です。壁は外張り断熱工法にて施工を行いました。こちらも気密性能を出すのには適した工法です。隙間ができないように断熱材を連続させ、ジョイント部分はテープを貼ります。細かな作業ですが、この施工精度が気密性能に直結しますので丁寧な作業で工事を進めていきます。

こちらは24時間換気システムの様子。スタジオセンスでは基本的に第3種換気をダクト式にて施工していきます。熱交換を行う第1種換気が注目されていますが、第3種でも第1種以上にランニングコストを抑えることは可能です。また、機械に支配され過ぎないパッシブな住まいづくりという意味でもこの換気システムは弊社が目指す住まいづくりにマッチしています。

断熱工事と24時間換気施工がすべて終わった段階で、今回はリノベーション工事ながら気密測定を実施しました。

新築では全棟気密測定を実施する弊社ですが、リノベーション物件で気密測定を実施するは2度目。新築の技術を既存住宅に落とし込むという意味では新築以上にハードルの高い施工であることが間違いありません。

気密測定の結果、こちらの建物の気密性能は

C値=0.3m²/m²

一般的な新築住宅よりもはるかに優れた気密性能を有する建物であることを実証することができました。

省エネ性や快適性を求めるのであれば気密性能は重要な要素のひとつです。リノベーションの建物でこの数値が出たことは、我々にとっても自信になりました。

無事気密測定終わり、内部は造作工事に入りました。

スタジオセンスのスタイルとも言える、木や土などの自然素材をふんだん使った仕様で仕上がる予定です。

「基本性能＋自然素材」でつくり出す快適なリノベーション空間がひとつずつカタチになっていきます。