屋根の銅板になぜ穴が開くのか?
住宅で発生する問題
以前、リフォームのご相談をいただき山口市大内御堀のお客様宅にお伺いしたときのことです。水回りや和室のリフォームの他に、雨漏りが気になるというご相談をいただきました。早速屋根のチェックです。そして確認できたのが銅板に空いた小さな穴。
こちらは屋根の「谷」といわれる部分に使用されている「谷板金」というものです。銅板で施工されていますが、ハッキリと穴が確認できます。
そしてこちらは瓦屋根から続く板金屋根(下屋)の部分。こちらの銅板にも瓦直下の部分に小さな穴を確認することができました。
この銅板に穴が開く原因ですが、昨今問題になっている酸性雨が影響していると考えられています。酸性雨は、pH(水素イオン濃度)が5.6以下の、酸性の成分を多く含む雨のこと。石油などの燃料を燃やすと、二酸化い黄(SO2)などの酸性の物質が大気に出て、それが雨や雪などに溶けて降ると酸性雨になる。原因としては、火力発電所や工場、自動車、飛行機などから出る排ガスが考えられます。
そしてその酸性雨が屋根瓦の釉薬(上塗り薬)と反応。さらにその雨水が銅板とで化学反応が起こり、銅を溶かしてしまうという現象です。
工場が近いなどの地域性もあるようですが、数十年前までは存在しなかった住宅に関する問題。環境汚染が進んできた証拠なのかもしれません。
銅板を屋根にご使用されているお宅は一度チェックしてみてください。