家に太陽光発電システムは設置するべきか?
センスコラム
新築をご計画中のお客様からいただくご相談で多いのが「太陽光発電は設置したほうがいいですよね?」というご質問。
国も後押ししているZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスゼロ・エネルギーという名称通り、家庭で発生するエネルギーをできる限り減らしつつ、設置した太陽光パネルでエネルギーを発電する住宅)の普及運動が進む中、また、ハウスメーカーが標準仕様に盛り込むなどの背景もあり、太陽光発電システムは住まいづくりを検討される方にはメジャーな設備になりました。
その質問に対し、私たちは「条件※さえ整えば、設置しないより設置したほうがいいと思います。但し、優先順位をしっかり考えないといけません。」とお答えしています。※条件とは、パネルを載せる屋根形状や将来に渡ってのリスクが解消できるかなどの検討
その解説をします。まずはこちらのグラフをご覧ください。
横軸は一年を通じての温度変化を表します。建築的手法と書いてある部分はいわゆるパッシブソーラー。家の断熱や気密性能を高め、通風や日射取得などを考慮したもので、家そのものが太陽を含む自然界と上手に付き合うための装置という考え方になります。
一方、機械的手法と書いてあるのがパッシブソーラー。機械的に空調を利用することを意味し、太陽光発電や太陽熱温水器などが含まれます。
優先順位としては、まずパッシブソーラーをしっかり構築し、優れた省エネ性能を実現する器をつくる。その後、資金的に余裕があればアクティブな設備を吟味し採用する。これが住まいづくりの設計にとって重要な考え方であり、優先順位だと思います。
上のグラフで考えるとイメージしやすいと思うのですが、建築的手法にあまりこだわらず家を建てた場合、緑の矢印(建築的手法)は短くなり、快適温度に近づけるためには青い矢印(機械的手法)を長くする必要があります。熱ロスの多い家です。
「緑の矢印が長い家=高性能で省エネな家」
まずはシンプルに。それでも賄えない場合は装備化を。
この順番さえ間違えなければ、クリーンエネルギーでもある太陽光発電システムを採用することはいいのではないでしょうか。
ちなみに、太陽光発電を設置したいとお考えの方で、災害など有事の際に役に立つことを理由にされている方もいらっしゃいます。もちろん間違いではないのですが、その機能を果たすだけであれば、このような小型蓄電池+太陽光パネルのセットを家に装備しておくのもひとつの手かもしれません。
もちろん蓄電池の容量によって価格は上下しますが、この写真のセットであれば10万円に満たないコストで手に入ります。こちらの蓄電池は400Whでスマホなら30回充電可能。日中は発電しながら蓄電しますので何度も繰り返し使用が可能です。