リフォームは「機能回復」と「機能向上」で考える
センスコラム
今お住まいの住宅をリフォームする場合や中古住宅を購入してリフォームする場合。あなたが「リフォームしたい!」と考えた時、リフォームで実現したい事柄や希望の工事内容を「機能回復」と「機能向上」に別けて考えることが大切です。
家は新築完成と同時に、住人による日々の暮らしや自然環境の影響を受けることで劣化は徐々に進んでいきます。つまり家のコンディションは新築時の状態がプラスマイナスゼロであれば、劣化のスピードに差はあるもののマイナスに向かっていくことになります。
上記のように、今お住まいの住宅をリフォームする場合や中古住宅を購入してリフォームする場合というのは、新築の状態からいえばマイナスの状態。そのポジションからリフォームを考えているということになります。
まず「機能回復」リフォームについて(step1)。
これはマイナスのものをプラスマイナスゼロの状態に戻すことを意味します。例えば「雨漏りを止めたい」や「シロアリ被害を発見したので修復したい」、「ドアの不調を直したい」などがこれに含まれます。
それとは違い「機能向上」リフォーム(step2)はマイナスポジションからプラスマイナスゼロの状態を通り越しプラスに持っていく行為。新築時以上の機能を持たせるリフォームのことを言います。例えば「生活スタイルに合わせて間取りを変更したい」や「外壁を機能性塗料(断熱や遮熱塗料)で塗装する」、「窓の断熱を強化する」などがこれに含まれます。
こう考えると、「機能回復」は最低ラインで必ず行わなければならないリフォーム。つまりリセットです。そして「機能向上」は「機能回復」の上に成り立つリフォームということがご理解いただけると思います。この考え方があべこべになると、内装を美しくリニューアルしたのに雨漏りで濡れた・・・という事態になりかねません。この両者をごちゃ混ぜに考えると頭の中が整理しにくいだけでなく、予算配分もうまくいかないのも大きな問題となります。
リフォームの原点となる「機能回復」という部分をしっかりと見極めるために、工事前にホームインスペクション(住宅診断)を実施することおススメします。工事前に家のコンディションをしっかり把握することで「機能回復」に関わる部分の程度や範囲が明確になり、その部分にどれくらいコストが必要になりそうかおおよそイメージを掴むことができます。
例えばリフォーム・リノベーションの予算が1000万円だとすると、事前に機能回復に300万円掛かる見通しが立てば、必然的に機能向上に掛けることができる費用は700万円となり、トータルで何をどの範囲リフォームするのかという計画が立てやすくなります。
リフォームを考えるときは「機能回復」と「機能向上」。
この2つの考え方で適切且つ快適なリフォーム計画を実現してください。