縁起のいい「福が降り込む上棟式」
センスコラム
家を建てるプロセスの中での一大イベントと言えば上棟式(じょうとうしき)。上棟式は、日本で建物の新築の際に行われるお祭りで、家の完成後も建物が無事であるように願い執り行われる祭事です。ちなみに「棟(むね)」とは、家の一番高い部分に納める横架材をいい、この材料が無事納れば、木軸が全て滞りなく組みあがったということになります。
この上棟式。もちろん作業効率や安全面からも晴れた日に行えるのがベストなのですが、お施主様のご都合や工程などの兼ね合いもあり、雨天決行する場合も少なからずあります。雨が降る上棟式は、家の中に雨が振り込むことから、「福が降り込む」また「幸せが降り込む」と言われています。またその家は「火事にならない」と言われ、昔から縁起がいいとされていることをご存知でしょうか?とてもポジティブな発想で、この話を聞くと少々の雨は降って欲しくなるくらいです。
昔から、その日晴れても雨が降っても縁起がいいとされてきた上棟式。家を建てるということは、そこに自らの意思で構造物を生み出し、環境を変える行為であることは間違いありません。そこに住まう人は、どんな天候であろうとも、自然を受け入れ、自然に感謝する気持ちを忘れてはいけないという先人からの教えなのかもしれませんね。