安全な「畳」を手に入れるなら国産を!
日本固有の敷物でもある畳ですが、最近では中国産などの安価な“い草”が多く流通されており、その普及率は国内で流通されている“い草”の90%とも95%とも言われています。
中国産のい草は、成熟が不十分なうちに刈り取られたものや、多くの農薬を撒いて育ったものが多く、その品質や安全性に疑問が残ります。スタジオセンスがおすすめしているのは、高品質で安全性の高い「国産い草」。また床にはポリスチレンフォームやインシュレーションボードなどの化成品を使ったものではなく、安全性が高く踏み心地に差が出る「国産わら」を使用した伝統的な畳を推奨しています。畳は座ったり寝っ転がったりと、フローリング以上に触れる頻度が高い床ですので、お子さまのためにも素材選びは慎重に行うことが大切。国産畳と中国産畳の価格差は1畳でわずか数千円。それで安全・安心な住まいづくりができるのであれば、もう迷う余地がありません。
1.畳縁
畳の縁に付けられる帯状のもの。縁を頑丈に保護するだけでなく、畳に表情を持たせて、インテリア性を高めるという効果もあります。
2.畳表
い草を編み込んでできた敷物状のもの。1畳に使われるい草は約4,000本。高級なものは7,000本以上の長くて太さの揃ったい草が使用されます。
3.畳床
畳の芯である台の部分の名称。畳床は、畳の強度と弾力性に大きく関わってくる、とても大切な部分です。
調湿効果
い草の茎の中心にある灯心部と呼ばれる部分が、湿気を吸ったり吐いたりすることで調湿を行います。国産のい草は、中国産のものよりも灯心部の表面積が広いため、長期間にわたって高い吸湿性と吸湿率を保持することが分かっています。その能力は、6畳の和室で約2,000ccもの水分を吸収することができるほどです。
空気清浄効果
い草の内部は、キレイな六角形をしたハチの巣構造(ハニカム構造)になっています。そのいくつもの空洞が、シックハウスの原因とされているホルムアルデヒド、窒素酸化物、二酸化窒素などを吸着して、空気をキレイにする作用があります。畳は、その高い空気清浄効果から、天然の空気清浄機ともいわれています。
リラックス効果
清々しくてどこか懐かしいい草の香りには、バニラエッセンスの原料として知られるバニリン、樹木と同じフィトンチッド、紅茶に多く含まれるジヒドロアクチニジオリドなどの神経や体をリラックスさせる成分が含まれています。また畳の程よい硬さと相まって、私たちの睡眠にも良い影響を与えると言われています。
抗菌効果
い草の成分には、病原性大腸菌O157やサルモネラ菌などの食中毒細菌、また、バチルス菌、ミクロコッカス菌などの腐敗細菌に対する抗菌作用があります。最近の研究では、肺炎の原因となるレジオネラ菌に対しても抗菌作用が認められました。また古い文献には、イグサが炎症、切り傷、打撲の改善にも寄与すると書かれています。
断熱・保温効果
畳は、畳表のい草と畳床のわらの内部にたくさんの空気を含んでいます。そのため、夏は熱い空気が室内に進入するのを防ぎ、冬は室内の暖かな空気を外へ逃がしません。それが、畳が夏にひんやりと肌に心地よく冬に暖かい理由です。また、断熱性と保温性に優れているので、冷暖房が効きやすいという特徴もあります。
吸音・遮音効果
畳床のわらに含まれるたくさんの空気の層が足音、テレビ、ステレオなどの振動を吸収し、不快な音が響くのを抑えます。また、目で感じる“落ち着いた雰囲気”にこの吸音効果がプラスされ、心が静まるイメージを与えます。カーペットや無垢フローリングよりも高い吸音率の畳は、階下への遮音対策としてもとても効果的です。
弾力性
畳の硬すぎず柔らかすぎない適度な弾力性は、内部にたくさんの空気を含むい草とわらによる効果です。現在主流となっている建材床では出すことができない優しい踏み心地は、転んだ場合にもその衝撃を優しく受け止めてくれます。また、発育期のこどものバランス感覚を養うのにも効果的だと言われています。